食事


〝食べる〟ということ。
〝命をいただく〟ということ。


今日、前職でお世話になったSさんの農場に出かけた。
Sさんの農場は里山の山1つ分。12ヘクタールもある。
大切な用事があって久しぶりに農場から雑木林から、ぐるっと歩いてきた中で、疥癬(かいせん:体毛が抜けおちて皮膚がみえている症状の病気)を持った野生タヌキの死骸を2頭も見かけた。
うち1頭はカラスか何かに食い荒らされて殆ど骨になっていた。


豊かであった里山も、管理者を失った梨畑は篠竹ボサボサに荒れて、木材を生産するために杉や檜の森に姿を変えられた山も、今では整備する人間がいなくなり、自然の食べ物が無くなった山で生活できなくなった野生動物は、街へ降りてきて人間の食べ残しをあさる。
中には餌付けする者までいるという。
人間の食べ物は保存料や添加物が含まれる。
スーパーで販売されているじゃがいもは、芽が伸びないように薬がかかっている。
育てたことがない人は知らないだろう。
薬のかかっていない野菜の芽なんて、あっという間に5cmにも伸びてしまうもの。


人間の食べ残しを食べた小さな野生動物にとって、食品添加物は何十倍にもなるだろう。人間だって花粉症やらアトピーやらハウスダストで悩んでいるのだから、生きものだって同じことだと思う。


卑しい人間の営みを目の当たりにするたびに、死んでしまいたいと思う。
こんな汚い世界に、自分の遺伝子なんか残せないと思う。


…言い過ぎました。


だから、せめてカップラーメンは3日続けて食べないで。



夜には友人と夜ごはん。
野菜とスープとキッシュ
豚肉のソテー
アップルパイ

お料理はとても美味しくて、素敵なんだけど。
残念なことがひとつ。
日当りの良い店内に〝じゃがいも〟たちがむき出してディスプレイされていた。表皮は若干緑色に変色しつつあるが芽が出る気配はない…。
じゃがいもの保存方法は〝冷暗所〟だ。陽の当たる場所に飾るなんて信じられない。
最近はよくこういう店を見かけるが模造品にしてはどうかと切に思う。緑色に変色しても芽も出て来ない根菜など、お金を払ってまで食べさせられたくない。