よだかの星の行方


君は猛スピードで星空を飛んでいる
〝燐(りん)の火のような青い美しい光〟になって
悲しいことは 
僕が君の代わりに飛ぶにはまだまだ未熟すぎるということだ


猛スピードで夜空を切り裂きながら
君は 寂しい、寂しいと 鳴き続けた


ふんわりとやわらかい月が夜空に溶けていた


残酷なことは それがあと365日だということ
そんな決定的な言葉を 君は いとも簡単に口にした


僕は胸が苦しくなって 喉の奥が痛くなって 
うまく呼吸ができなくなっていくのがわかる
息を止める
何度も 何度も
正しい呼吸の仕方を 思い出すために


僕に何ができるだろう
残された時間で 君のように飛べるかどうかも解らない


青く美しい光よ、どうか壊れないでほしい
今は 女神座の優しい掌で ゆっくり眠るべきだと思うよ