父が…


父が亡くなりました。
何もしてあげられませんでした。

父もよく頑張ってくれました。
止まった心拍数も、顔と胸を撫でながら耳元で“お姉ちゃんがくるまで待ってね”って言うと、何度も動かしてくれました。
私は病院で沢山おしゃべり出来ました。
隠してあるお酒の話やマッサージでお金を取る話、ご飯を食べながら、卵がマズいだの、みかんゼリーが美味しいだの。
行きつけの美容師さんが病院に出張散髪してくれてアゴの長髭も散髪してもらった話など何でも話ました。

介護机に置いた鏡越しに父の顔を見ながら肩もみマッサージしてあげると気持ち良いと言ってくれて居眠りする顔が忘れられません。

土曜に退院する予定で、父の夕食の準備をしてありました。大好きな里芋をすり潰してあったのに、最後に食べさせてあげられなくて残念です。

眠ったような穏やかな顔でした。